北海道苫小牧において低軌道衛星通信を活用したCoastalLinkの接続実証評価を実施しました。
海上DXの推進によって「One Ocean」(一つの海)の実現を目指すフューチャークエスト株式会社(福岡県福岡市 代表取締役 瀧本朋樹)は、2022年11月23日に北海道を拠点に港湾ロジスティクスを担っているナラサキスタックス株式会社(北海道苫小牧市 代表取締役社長 須藤哲也)のご協力によって、北海道苫小牧市において、低軌道衛星通信を活用したCoastalLinkの接続評価を行いました。
【ミッション】
フューチャークエストは海上デジタル通信プロバイダとして、すべての船とすべての港を一つにつなぎ、One Ocean(一つの海)を実現することを目指しています。
【今回の成果】
今回の接続評価は、衛星回線を用いた場合のCoastalLink(※1)の動作への影響を検証することが目的です。この接続実証結果により、CoastalLinkは低軌道衛星通信(※2)を活用した場合においても通信機能を発揮することを確認することができました。
【低軌道衛星の重要性】
低軌道衛星は高度2000km未満の高度を周回する人工衛星を指します。人工衛星の投入に静止軌道衛星に比べてコストを要しないことから、Iridium(Iridium Communications社)、Starlink(SpaceX社)、OneWeb(OneWeb社)など低軌道衛星を活用した事業開発が各国で活発化しています。地上においても大規模な通信設備を必要としないことから、今後市場の拡大が想定されています。
【今後の展望】
国内外の低軌道衛星通信を活用したサービス開発によって、携帯電話が通じにくい遠方でも利用することができる安心安全な海洋デジタル通信の実用化を加速していくために、当社では協力企業・団体との連携を強化しながら、更なる事業開発、技術開発を進めてまいります。
※1 CoastalLinkとは:すべての船舶と港湾が通信可能な状態を提供する海上通信プラットフォーム。気象や地形に影響されず安定して船舶の位置や属性データなどを地上基地および他の船舶と共有するCoastalLinkの導入によって、すべての船舶と港湾のデジタル通信を可能にし、船舶事故や事故後の救助遅れの最も多くの原因を海から排除する。
※2 低軌道衛星通信とは:地球を回る低軌道を地球低軌道 (Low Earth Orbit、LEO)、すなわち地球表面からの高度2,000km以下を差す。ほとんどの通信衛星は静止軌道または準静止軌道を用いるが、最近は低軌道や中軌道の衛星コンステレーションを用いる通信システムもある。低軌道に衛星を投入するほうが少ないエネルギーで済むため、小型のロケットで打ち上げ可能、リモートセンシングでは地表との距離が近いので画像などの分解能が向上する、通信衛星では、送受信機の発生電力がより少なくてすむなどの利点があるとされる。反面、衛星が常に移動しているため、通信衛星は連続的な通信を提供するための複数衛星からなるネットワークが必要とされる(衛星コンステレーション)。