弊社は海上での円滑なコミュニケーションの実現と海洋域のDX(デジタル・トランスフォーメーション)を推進しています。
現在開発しているCoastal Linkは、これまで不可能だった、全ての船舶、港湾施設の一元的なデジタル交信を実現するサービスです。これにより大幅な船舶事故の削減と早期救助活動の実現が可能になります。
現在の海上通信は、沿岸と沖合とで無線規格が異なり、船舶・港湾での無線手段も統一されていません。また未だにアナログ音声通信のためヒューマンエラーによるトラブルも多発しています。
大型船や湾港と通信できない
小型船の事故が圧倒的に多く、その割合は78%
適切な通信手段があれば
回避もしくは救助が可能に
今後、本格的に海上データ通信市場が世界的に形成されていきます。Coastal Linkの海外展開を視野に入れ、海外主要航路での当該国政府と連携した実証実験を通し、実運用に向けた施策に取り組んでいきます。
博多湾に停泊する船を見て、遠い海に思いを巡らせて育ちながら、ニュースを通じて知った海難事故が強く心に焼き付いています。ナホトカ号事件が起きたとき、一隻のタンカーが美しい環境を一瞬で破壊するさまを見て、子供心に衝撃を受けました。高校卒業後の進路に商船学校を選んだのは、 自分が操船したら…という至極単純な思いからでした。
しかし、一隻の船がどうがんばっても、繰り返す海難事故を防ぐことができないことは明らかです。陸地と異なり、世界各国から様々な船舶が、それぞれのやり方で行き交うオープンワールド。海は青いジャングルでもあります。そこで命綱となるのはコミュニケーション、「通信手段に尽きる」という確信に至った私は、敢えて大好きな船を降り、多面的な調査・研究を経て起業する道を選びました。
国際的連携を推進する国際海洋プロジェクト、国内海洋政策のための行政交渉、海洋利用促進を図る内閣府プロジェクトへの参加を通じ、海が今なお混とんとした世界であることを痛感するとともに、そこに巨大なビジネスチャンスと国境を越えた価値創出機会がある、という思いが募りました。
「海上における円滑なコミュニケーション環境を構築」し、海を一つにすることを事業化、それを海洋国家である日本が先導するためにも、ライフワークとすることに決めたのです。